レミーのおいしいレストラン

アニメとは思えないほど、食欲をそそる−。一流シェフを夢見るネズミのレミーと料理が苦手な見習いシェフの青年、リングイニが協力して、パリ一番のシェフを目指すCGアニメ映画「レミーのおいしいレストラン」(ブラッド・バード監督、公開中)が評判だ。製作は、「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」そして「Mr・インクレディブル」と立て続けにヒット作を送り出すディズニー/ピクサー。 

 「すべての映像において過去のピクサー作品を上回る」と胸を張るのはプロデューサーのブラッド・ルイス氏(47)。

 「そんなこと、簡単に言えるものではないとわかっているけれど、それほどの技術なんだ。ここまで食欲をそそる食べ物を再現した作品はなかったし、人、そしてねずみの動きはもちろん、パリの美しさに炎、水、滝、雨とどれをとっても最高のCGで表現しているよ」

 ネズミのレミーは人間の言葉を理解できるが、人間のリングイニはネズミの言葉が理解できない。しかも、舞台は、レミーが最も人間に嫌われる場所、レストラン。伝えたいことを伝えられず、思い悩み、葛藤するレミーの切ない心理描写が涙をさそう。

 「昔は、アニメで伝えられるストーリーには限界があった。しかし、今はアニメーション技術がどんどん進化しているので、ネズミがシェフになりたいという複雑な物語であっても恐れず、心から作りたいものを作れるようになったんだよ」

 自信たっぷりに続けるルイス氏。

 ディズニー映画というだけで、注目され、期待されるものだが、「正直、成功するかしないかという観点では映画を作っていないんだ。何より心からアニメを愛するわれわれだから、自分たちが楽しめる作品を作りたい、それだけなんだよ」

 全米では、すでに興行収入1億5000万ドルを突破。映画批評をまとめた全米の映画サイト「Rotten Tomatoes」でも、上半期アメリカ映画の中で、映画批評家からナンバーワンの支持を得ているとお墨つきが出ている。

 夏休み、親子で見に行ってソンしない映画だ。

ZAKZAK 2007/07/31

 ホント、行きたくなりますよネェ。このレストラン。