埼玉県川口市で保育園児の列にライトバンが突っ込み女児4人が死亡、保育士を含む17人が重軽傷を負った事故から丸1年を迎えた25日、現場に遺族がそろって訪れ、献花台に手を合わせて4人の冥福(めいふく)を祈った。

 長女、陽南子(ひなこ)ちゃん=当時(3)=を亡くした盛山哲志さん(27)は「娘のいた場所があと30センチずれていれば助かったのでは。今も毎日がつらい」と心情を吐露。長女、悠月(ゆづき)ちゃん=当時(5)=を亡くした福地禎明さん(38)は「悲劇を2度と繰り返さないため、これからも事故防止を訴えていきたい」と話した。

 事故は昨年9月25日午前9時55分に発生。井沢英行受刑者(38)が時速50〜55キロで走行中、助手席のカセットプレーヤーに気を取られ、公園に向かう園児の列に突っ込んだ。法定速度以下として危険運転致死傷罪は適用されず、業務上過失致死傷罪で懲役5年が確定した。

 事故後、周辺約85ヘクタールに原則時速30キロの速度規制がかけられた。市は市内全域の生活道路で時速30キロの独自規制を実施しようと構造改革特区を国に提案したが「混乱を招く恐れがある」として認められていない。

 現場近くの公園で献花した岡村幸四郎市長は「事故を経験した自治体として、速度制限強化を粘り強く国に求めていきたい」と話した。

(2007/09/25 Sankei.Web)

 人の命ですから・・